お勧めのコーカサス本紹介「中央アジア・蒙古旅行記」

こんにちは★

宵宮エメです。

しばらくの間、毎週2-3回は東欧関係の書籍をネタバレをしすぎない程度の書評を書きます。

ちなみにプロパガンダや忖度は嫌いなので、私自身の率直な感想です。


今回紹介するのは

です。

…実はこの本は元々1965年に桃源社から出版された同名の本を文庫化したものです。

概要を話すと、13世紀にモンゴル帝国へ行った二人の修道士の旅行記です。
ちなみに一緒に旅に出たのではなく、カルピニは教皇インノケンチウス4世の命を受けて第三代皇帝のグユクに謁見、一方ルブルクはフランス王ルイ9世の書簡を携え、第四代皇帝のモンケの本営を訪問しており、時期が微妙に違います。

ちなみにモンゴル帝国のグユクはスーフルで連載中のトマトスープ氏の「天幕のジャドゥーガル」にも登場します。
https://souffle.life/author/tenmaku-no-ja-dougal/

個人的にこの漫画のコラムがかなり本格的で読み応えがあるので、中世モンゴル~中東史(西域)に興味がある方にお勧めです。


本書はモンゴル(タタール)人の当時の生活を知るための数少ない資料ですが、何せ800年くらい前の記録なので、差別意識丸出しの記述もあるので、その辺りが当時と現代と感覚は違うと念頭に置いて読んだ方が違和感がないかと思います。
ただしアルメニアやグルジア、アラン人などのモンゴル帝国領のキリスト教徒については、割と好意的にも見える記述が多いです。

また、モンゴル帝国の人々がジョージア(グルジア)人を武人として尊敬していたのが意外でした。

もし気になる方がいたら読んでみてね★

…ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

【参考文献】
・カルピニ, ルブルク 著 護雅夫訳(2016)「中央アジア・蒙古旅行記」講談社
・トマトスープ(2022‐2023)「天幕のジャードゥーガル」1ー3,秋田書店

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